商品開発ストーリー

米糠の栄養食材としての多機能商品の開発

概要

米こうじ

米の精米により発生する米糠は、ビタミンやミネラル等の栄養成分が多く含まれており、これらの成分を有効活用し味噌・醤油・その他調味料に加える事で栄養価が高くマイルドな製品の開発に役立つと思われる。

日本においては、少子高齢化が急激に進行すると共に高カロリー食品の摂取と飽食による「生活習慣病」が若年層にも浸透しつつあり、医療費の高騰等食生活に起因する国民経済への多大な影響が発生している。

この対策として、これまでの高脂質の「西洋型食生活」から従来の「日本式食生活」への転換が急務であり、このためには減少傾向の止まらない「和式」の食生活の主軸である「米飯」とともに「味噌」「醬油」の調味料の更なる高栄養化と高品質化が必要である。

そこで、米の精米により発生する「米糠」に着目し、酵素により分解・発酵を行い、調味液の試作を行うこととした。

米ぬか調味液

この米ぬか調味液を当社が現在製造している味噌・醤油・調味料加工食品に加えるとコク味と風味付けが可能となります。更に米ぬか調味液の持つビタミン・ミネラル類が新たに付与された調味料(新味噌製品・新醤油製品・新調味料加工食品)の開発が可能となり、新たな市場開拓にも繋がると考えられる。味噌市場(市場規模:約1500億円)においては、一人当りの年間購入量は約2㎏(25年前は約3㎏)となり、減少傾向が進んでいる。このような市場に健康・栄養・発酵食品と言いう切り口で、新たな需要を掘り起こすことも可能と思われる。

同様に醤油市場(市場規模:約1600億円)においては、国内市場は安定的に推移しているが、特長ある製品は別として、スタンダードな製品については大手企業に占有されているのが現状である。したがって、醤油製造業における中小企業・小規模事業者は、本事業で得られる米ぬか調味液を使用した特長ある製品を製造することにより、新たな顧客の創造に繋げて行けるものと思います。

また、この米ぬか調味液を乳飲料・清涼飲料に添加することにより、栄養価が高くマイルドな製品ができる。例えば、本品をヨーグルトに数%加えることにより味にコクと旨味が増加し、食しながら豊富となったビタミン・ミネラル類を摂取できる。現在、ヨーグルトの市場規模は3,390億円(2011年度)で、多種多様な製品が店頭に並んでおり、最近話題となっている特殊な乳酸菌(LG‐21)により、その付加価値がヨーグルト市場の拡大に寄与しております。本事業により生産される米こく味調味液を加えたヨーグルト製品については、地元乳飲料製造メーカーに提案し、共同で取組んで行きたいと考えております。

本開発では、米糠を酵素により分解・発酵し調味液を開発するものであり、得られた米ぬか調味液を活用するものである。(特許取得済み)

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